更年期は、女性の人生における大きな転換期。ホルモンバランスの急激な変化により、身体だけでなく心にもさまざまな影響が現れます。そんな中、「食べ物の力で少しでもラクに過ごせたら…」と願う方も多いのではないでしょうか。
近年注目を集めているのが、「デーツ(ナツメヤシの実)」。中東を中心に古くから“天然のサプリメント”と呼ばれてきたスーパーフードですが、実はこのデーツ、更年期世代の女性にこそぴったりの食材なのです。
この記事では、デーツの栄養価や種類、食べ方など詳しく解説します。
更年期の心と体が不安定になる理由
50代にさしかかると、卵巣の働きが低下し、女性ホルモン(特にエストロゲン)の分泌が急減します。これによって以下のような症状が出やすくなります。
- ホットフラッシュ(急なほてり)
- 不眠やイライラ
- 疲れやすさ、集中力の低下
- 骨密度の低下、筋力の衰え
- 便秘や肌の乾燥
食事・運動・睡眠といった生活習慣の見直しが基本ですが、栄養バランスの取れたおやつや補助食品も、体調管理の強い味方になります。
デーツってどんな食材?
デーツは、ナツメヤシの実を乾燥させたもので、ねっとりとした甘みと濃厚な味わいが特徴です。
デーツの木であるナツメヤシは、旧約聖書に登場する「生命の樹」のモデルともいわれ、祝福の象徴と言われています。イスラム教の聖典コーランでは「神の与えた食物」とされており、ラマダン(断食)明けに食べるのだそうです。また、古代メソポタミアやエジプトでは聖なる木とされていました。
デーツは古代から愛用され美の象徴とされるクレオパトラも愛した果実といわれています。
デーツは木に実をつけたまま自然乾燥し、太陽の光を浴びて樹上で完熟します。黒糖のようなコクのある甘みがあり、食物繊維やミネラルを豊富に含んでおり、美味しく食べながら栄養補給ができます。自然な糖質を含むにも関わらず、血糖値を急上昇させにくいため、甘いものを我慢しがちな更年期女性にもおすすめのスーパーフルーツなのです。
いわば天然のマルチビタミンなのです。
デーツに含まれる栄養と更年期への効果
1. 鉄分と葉酸で貧血予防
更年期には月経が不規則になり、時に長引いたり重くなったりします。そんな中で鉄不足を放っておくと、めまいやふらつき、疲労感が増してしまいます。また、更年期障害では、自律神経のバランスが崩れ、「交感神経」が優位になることで鉄分の吸収が悪くなり鉄分不足になることも。
貧血の症状といえば次のようなことが思い当たりますよね。
- 疲れやすさ
- 頭痛
- めまい
- 立ちくらみ
- 息切れ
- 不眠
- 気分の落ち込み
- イライラ
- 爪が弱くなった
- 顔色が悪い
更年期の症状と似ています。更年期と思っていたら貧血だったということや、逆のことも。
また、葉酸は正常な赤血球を作るためにも必要な栄養素でsす。
鉄分や葉酸はサプリを飲むのもいいですが、できるだけ自然に食品から摂りたいですよね。デーツには鉄分・葉酸が豊富に含まれており、貧血改善にもおすすめです。
2. 食物繊維とマグネシウムで便秘改善
更年期は腸の働きも落ちやすく、便秘が慢性化する人も。 デーツは不溶性と水溶性の食物繊維をバランスよく含み、腸内環境を整えてくれます。デーツに含まれる食物繊維の8割は不溶性食物繊維でごぼうと比較すると1.3倍です。不溶性食物繊維は水分を吸収して便の容積を増やし、便秘改善に役立ちます。 また、ビフィズス菌などの善玉菌の餌となり、腸内環境を改善します。
またデーツにはマグネシウムも含まれています。便秘薬としてマグネシウム単体で売られているのでご存じの方もいる方と思いますが、マグネシウムは便を柔らかくする働きがあります。
このようにデーツは
- 食物繊維が豊富
- 善玉菌の活動を活発にする
- マグネシウムで便を柔らかくする
という3つの理由から便秘解消に効果的です。
3. カリウムでむくみ解消
更年期になると、卵巣機能が低下し、エストロゲンが急激に減少し、自律神経が乱れがちです。自律神経には血管の収縮・拡張をコントロールする働きがあるため、血流が悪くなり体のむくみや冷えが起こりやすくなります。
また、加齢による筋力の低下もむくみの原因の一つです。ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、足に溜まりがちな血液を流すポンプの役割があります。しかし、運動不足、特にふくらはぎの筋力が低下するとポンプがうまく働かず浮腫みやすくなります。
デーツにはカリウムが含まれていますのでむくみにも効果的です。何とバナナの1.5倍です。
適度な運動とデーツでむくみのないすっきりとした体を目指してみませんか?
4. 天然の甘さで心が満たされる
更年期は心のバランスも崩れやすく、「理由もなく落ち込む」「孤独感が強まる」という悩みも。
デーツにはストレス緩和に有効な栄養素であるマグネシウムやパントテン酸が多く含まれています。マグネシウムは幸せホルモンであるセロトニンの生成を促します。またセロトニンの材料であるトリプトファンも含まれています。
デーツの濃厚だけど自然な甘みはほっと一息つく「自分時間のおとも」としてぴったりです。
デーツの種類
■ サウジアラビア(例:アジュワ、スッカリなど)
- 味・風味:甘さ控えめで上品。アジュワは「預言者ムハンマドが食べた」として神聖視される。
- 食感:ややドライで引き締まった口当たり。
■ イラン(例:マザファティ)
- 味・風味:とても濃厚でジューシー、黒糖に似たコク。
- 食感:柔らかくてねっとり。
■ チュニジア(例:デグレット・ノア)
- 味・風味:比較的あっさり、クセが少ない。
- 食感:セミドライで食べやすい。皮がやや固め。
■ アメリカ(例:メジュール)
- 味・風味:とても甘く、濃厚なキャラメルのような香り。
- 食感:大粒でふっくら柔らかい。
■ イスラエル(例:メジュール、ハヤニ)
- 味・風味:甘み強めで、品種によってはワインのような香りも。
- 食感:滑らかでやわらかい。ジューシーなタイプもある。
国によってデーツの味・質感・使い方は大きく異なります。日本ではチュニジアやアメリカ産が手に入りやすいですが、ネットではイラン・サウジアラビア産も購入可能です。
いろいろ食べ比べてみるのもいいですね。
ナッツとドライフルーツの専門店小島屋さんでは各国のデーツが取り揃っています。
更年期に「甘やかしすぎない甘さ」を

更年期は、がまんだけでは乗り越えられません。少し気持ちが沈みそうなときこそ、「心と体にやさしい選択」を。甘いケーキなどのスイーツもいいけれど、いつもは食べられない。そんな時デーツは、鉄分・ミネラル・食物繊維が豊富で、心も体もいたわるおやつに最適。
からだにやさしいデーツで、辛い更年期にホッとする時間をいかがでしょうか。50代は、心と体のリズムを見直す絶好のタイミング。デーツを味方につけて、あなたらしい健やかな毎日を過ごしていきましょう。


